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ストレスについてその2

10. ストレスと適応障害

アフリカのサバンナに浮かぶ気球です。皆様はどう感じますか。この様に、何もないところで、空をふわふわと浮かんでいたら、ストレスもなく気持ちがいいだろうな、と思う人もいれば、高所恐怖症で高いところに行くと聞かされたら、途端に交感神経が優位となって、心臓が口から飛び出そうになる人も居るかもしれません。同じ刺激であっても、10人居れば10種類の受け止め方があります。

周囲からのストレッサーがどんどん加わると、風船のようにストレスは膨らんでいきます。何か手段を講じて空気を抜いてあげないと、その風船は、いつか爆発します。

ストレス因子として個人により、かなり異なりますが、ここに挙げてある物ばかりでなく、生活の上でありとあらゆる事がストレス因子になり得ます。これらにうまく対応出来ないと、ストレスにより膨らんだ風船は爆発して、適応障害という病的な状態になってしまいます。これらには大きく、心の問題で頭痛や下痢等の、からだの症状が現れる心身症と、心の問題でイライラや不眠、興奮等の、精神症状が現れる心因反応があります。この適応障害は、神経症という病気の中に属します。

11. 防衛機制

これらのストレスに対して、人は無意識の内に次のように対処する事で、適応障害を避けようとします。

抑圧 無意識の世界に押し込める。気になる事を、意識しないようにします。
同一化 親の真似、ゴッコ遊び、アイドル等の真似(アムラー、シノラー等)
補償 勉強が駄目でもスポーツならば自分は誰にも負けないと思い満足する。
転換 欲求を他の物に転換する。好きな人の形見を大切にしたりします。つまり、好きな彼のハンカチや髪の毛を、お守りの様に持つ事で、いつも一緒であると満足します。子供では親の代わりに、毛布やぬいぐるみを持ったりします。(スヌーピーのライナスが有名です。)
反動形成 反対の態度をとる。好きな子の悪口を言ったりします。
昇華 欲求をスポーツや宗教等の方向に変える。中学や高校生で異性を意識し、もやもやする気持ちをクラブに打ち込む事で、これらを解消したりします。
合理化 もっともらしく理由付けをして満足する。たとえば、好きな人に思いを打ち明けられず、あの人は自分には、もったいないからあきらめようと理由付けをして納得します。
退行 精神の若年化。子供帰りです。おむつが取れた子供が、突然おねしょをし出したり、指しゃぶりをし出したりがあります。
攻撃 攻撃が正しい目標にいかず、手首を切ったり、髪の毛を抜いたりの自分を傷つける自傷行為や又自殺や、性的な異常にも発展します。
逃避 人とつき合うのを嫌い、部屋に閉じこもったり、空想にふけって気持ちを、まぎらわせます。
投影 自分の欠点を相手に見いだす事です。ケチがケチ、チビがチビという事です。

12. PTSD

PTSDの歴史

Post-Traumatic Stress Disorder、略してPTSDと呼ばれているこの心的外傷後ストレス障害は、アメリカでベトナム帰還兵が次々と心の不調を訴え、アルコール中毒になったり、自殺を企てたり、社会生活を営めなくなったりが目立ち、神科医のグループが帰還兵のカウンセリングを通して確立した概念です。

我が国では、今まであまり馴染みがありませんでしたが、阪神・淡路大震災のあと、注目を浴びるようになりました。被害にあわれた方々が、復興後も心の不調を訴え、そこで初めて、「心的外傷後ストレス傷害」という名前にスポットが当てられるようになりました。また、鹿児島の川内で頻回に地震が起き、地元の子供達にこのPTSDがみられたと鹿児島大学の研究グループが97年発表をしています。ペルー大使館占拠事件で人質だった日本人に対して、日本は心の障害を起こす可能性があるとして、精神科医師を派遣することが発表されたり。その他、地下鉄サリン事件、福岡でのガルーダ機事故、で被害にあった方々がPTSDになりその調査や治療を通して被害にあった初期段階からの危機介入の重要性が報告されています。

心的外傷とは

一般にPTSDで言われている心的外傷とは、通常の人が経験する範囲を超えた出来事で、ほとんどすべての人に著しい苦痛となるものとされています。また、PTSDと同一ではないが、心的外傷の初期症状で急性ストレス反応を起こすことがあります。心的外傷の初期症状として、急性ストレス反応を示す事があります。症状は、感覚や感情の鈍麻ないし麻痺、疎隔体験、離人体験、記憶の喪失、興奮、遁走、ないしは心悸昂進、発汗等の自律神経昂進症状がみられます。この症状はPTSDの症状に類似しています。症状の発症が、外傷から4週間以内で、持続期間が4週間以内となっています。しかし、PTSDの初期段階もこの中に含まれている場合もあります。

PTSDの症状

症状として、DSM-IVの診断基準によると、外傷記憶が夢や錯覚やフラッシュバック(心的外傷体験時の恐怖等が再現される事)を引き起こし、本人はこれを避けるためにこの外傷を思い出させるような刺激を極度に避けること、そしてそのために生ずる不眠や焦燥や集中困難、過覚醒(驚愕反応の亢進等)がこの診断基準に加えられ症状が1ヶ月以上持続します。また、PTSDは他の不安障害、気分障害、薬物依存を合併しやすいのも大きな問題点です。

心的外傷を受けた人が皆PTSDになるの?

また、同じ経験をしているのに、PTSDになる人と、ならない人がいます。個人差といえばそれまでですが、個人、個人でストレスに対する抵抗力(脆弱性)が違うためだと思われます。ストレスの脆弱性の原因は、まだはっきりとしたものは分かっていませんが、脳の発達、DNA等の分子遺伝学、心理社会的な発達の問題等、様々な方面から現在研究がなされているところです。前述した様な有名な事件ばかりでなく、女性がレイプされたり、長期に繰り返される、幼児虐待やいじめ、本人にとってかなりショックな出来事の後にも心的外傷後ストレス傷害になることもあります。災害や犯罪の後に起こる、心身の不調がPTSDであるわけですが、ストレスに対する抵抗性が極端に低い人や過敏な人の場合、周囲の人にとっては些細な問題であっても、その人にとっては人生が変わるような大きな出来事かもしれません。すると、広い意味でPTSDに近い状態になり得る思われます。周囲にその人を受け止めたり、支えたりする環境の違いでもこの心的外傷は変化してきます。つまり予防をしたり、適切な対応でこの障害に対処することができます。

13. ストレスにおける環境

此処は、デパートでも託児所でもありません。これはバンクーバー空港の待合い室です。ここでは、子供が遊ぶスペースが転々と作ってあります。この様にカナダでは、細かな点で子供を大切にしているなと感じさせます。バンクーバーで行儀悪い子供に対して、通りがかりのおばさんが、それを叱り注意している光景を見受けました。私が子供だった頃、悪さをして近所のおばさんから叱られた、遠い昔を思い出してしまいました。今の日本は近代化と共に何か大きな、大切な物を忘れ去っている様な気がします。

皆さんご存じの漫画サザエさんは、昔の日本の典型的な家族の代表でしょう。主人公は両親兄弟と同居をしています。サザエさんにおいて、出産する時や、育児についての不安や悩みは、人生の先輩である母親の船さんに何時でも相談が出来ます。買い物に行くにしても、船さんや、カツオやワカメちゃんがタラちゃんの面倒をみてくれます。又、タラちゃんに働きかけてくれる家族も多いため、タラちゃんの言語発達にも良い方に大きく影響するでしょう。

対して、現代の家族の代表としてクレヨンシンちゃんあげられます。核家族で、お父さんのひろしは、子供が起きる前に仕事に出かけ、子供が寝た頃帰ってき来て、子供とはすれ違いの日が多々あります。休日ぐらいは家で寝ていたいと思っているため、子供にとって父親のイメージは、ゴロゴロしてくたびれている人、ぐらいの認識しかありません。つまり、普段シンちゃんにとって、家では母親としか接触がありません。母親が買い物に行くときには、一人でお留守番です。TVがベビーシッタ代わりです。ですから、妙に口だけは達者で大人びた感じになりますが、常にスキンシップに飢えた部分があります。又、自分をもっとかまってもらいたいために、周囲の人の目を引かねば成りません。だから変な事や動作をします。いい意味でのストレスがシンちゃんには少ない様です。母親の視点では、母親には子育てで困ったとき、相談する家族が身近になく、又少しの時間でも子供を見ていてくれる人が居ません。一人ぼっちで子育てをしている感じで心のどこかに不安があります。この母親は、自分だけの自由な時間がありません。かなり多くのストレスがあり、時にそのストレスは、お菓子を食べることに向けられたり、それが買い物であったり、時に子供に爆発する事で、それらは解消されています。

幸いな事に、近年シンちゃんにはひまわりという、妹が出来ました。彼には兄として自覚が芽生え、母親が居ないときには妹を彼なりに保護者的な目で見守り、自分の家での役割を意識し良いストレスになります。母親にとってはその事は、安心でもあり不安でもあり、複雑な状況です。

14. テクノストレス

ジャンプで有名なマサイ族の狩りの踊りです。いまでは、狩りをするためや、お祭りだからと言って踊るのではなく、観光客相手にビジネスで踊ります。ここアフリカにもどんどん文明が入り込み、生活内容も便利になります。しかしその代償として、彼らも新たなストレスを、これから克服して行かねばなりません。

ウインドウズやiMacという言葉は、たとえコンピュータに興味がない方でも、ニュースやコマーシャルで名前だけはご存じな方が多いのではないかと思います。また、ニュースや番組の中でも、インターネットのホームページアドレスが書かれていたり、企業の紹介のホームページアドレスが名刺に書かれていたり、小学校でパソコンの授業が開始されたり、ここ数年日本でも、生活の中にコンピュータがかなり浸透してきました。会社においても同様で、コンピュータに向かって仕事をしている人にとって、通勤時間の無駄や、その人が仕事に集中出来る時間を尊重し、また、会社側のメリットとしては事務所をコンパクトにできるため、家のコンピュータを電話回線で繋ぐ事で、出社せずに家で仕事をするSOHO(スモールオフィース・ホームオフィース)が注目され話題になっています。また、最近ではモバイルといい携帯型のコンピュータも普及してきています。仕事の面ばかりでなく、趣味的な範囲に置いてもコンピュータは無視できず、生活する上で大きな役割を持つようになりました。これら、コンピュータにより引き起こされます、テクノストレスには不安症と依存症があります。

テクノ不安症の人は会社や上司からコンピュータを使うように強制されていると感じています。今まで、コンピュータに触れなくても仕事が出来ていたのに、仕事の能率化、複雑化等に伴い、使わざる負えない状況に追い込まれている方々や、常にコンピュータに向かっているコンピュータオペレータのOLに多いと言われています。疲労、不安、抑うつ、テレビモニターのちらつきによる目の疲れ等の症状があり、これがコンピュータでの不適応状態です。

テクノ依存症は、コンピュータの過剰適応で、不安症とは逆で、常にコンピュータと接していたいと思っています。症状は、人間関係がわずらわしくなる、無表情、あいまいな態度を取ると短気になる、等が見られます。クレヨンシンちゃんのような家庭で、常にTVゲームにベビーシターをさせていると、子供でもこのテクノ依存症のような症状が出てきますので、親は、その分十分に子供が感情を表現できるような対応と、スキンシップに注意していただきたいと思います。

15. ストレスの治療や対処法について

バンクーバー市内には、公園が沢山あり、またビーチは流木を利用したベンチが置いてあります。昼には、芝生で弁当を食べたり、子連れでローラースケートをしたりジョギングをしたりしている人が沢山居ました。休日は主に郊外に出かけてゆったりとしたり、日曜大工やガーデニングをして過ごすのが一般的のようです。

私は、看護学校で精神科について講義をしていますが。私の生徒達に、「あなたのストレス解消法は何ですか」とアンケートを取りました。生徒のほとんどが、「カラオケ」と答え、2番目に多い答えが「寝ること」でした。この二つの答えが大多数でして、その他少数意見として「買い物をしまくる」、「やけ食い」がありました。男の子だけですがドライブという答えもありました。これらアンケートについて詳しく聞くと、カラオケといっても自分の家で歌うのではなく、カラオケボックスに友人と行くのだそうです。つまりストレスが溜まりムシャクシャしてカラオケでそれを発散したい時に、友人が都合付かないときには、家でふて寝をするというパターンが浮き彫りになります。家でふて寝をするのは、先程の防衛機制の内の逃避に当たります。身体を休ませるという点では良いと思いますが、逃避という行動は一時的で、ストレスが積もり積もって大きくなった場合、いつかそれに押しつぶされてしまいます。また、ストレスを感じる度につき合わされる友達にも同情します。社会に出てそれぞれの仕事を持ったり、家庭を持った時、はたして自分がストレス発散したい時に、友達が何時も暇でしょうか。結局、ふて寝をしてじっと我慢する割合がぐっと増えるのは目に見えています。このようなストレス発散法で将来大丈夫かなと思いますし、又、酒を飲むという新たなストレス解消法にのめり込めば、キッチンドリンカーへと発展するかもしれません。ストレスを上手にコントロールする事は、社会で自分が楽にうまく生活できる事につながります。

アロマテラピー

カナダ、ブリテッシュコロンビアの州都であるビクトリアの町です。あちらこちらにこの様に花が飾られています。花は目で人を楽しませ、また香りで楽しませてくれます。花で飾られた通りを歩くだけで心が穏やかになり豊かになる感じがします。

ハーブや花や木等から抽出した、エッセンシャルオイルを使った治療法です。ハーブの香りで嗅覚を刺激することで、脳を活性化させたり、興奮や緊張を抑えたり、痛みを和らげたりさせます。西洋では13世紀からエッセンシャルオイルが使われています。日本でもアロマテラピーの学会が発足し最近注目されている治療法です。

近頃は、デパート等でも手軽にエッセンシャルオイルは手に入ります。アロマテラピーは、ストレスに対して最も簡単な対処法の一つでしょう。ただ種類があまりにも多く、どのオイル、をどんな時に、どの様に使用するのかがご存じない方が多いのが現状です。又、臭いに対して過敏な人や、それがどんなに効果があっても、生理的にどうしても受け付けられないイヤな臭いと感じるならば、やめた方がよいでしょう。

先ほど示しましたこれら5つのストレスの種類に対して、それぞれ次のようなオイルが効果的のようです。

  1. 環境的なストレスに対して
    ベルガモット、バジル、ゼラニウム、カモミール・ローマン
  2. ケミカルストレスに対して
    ラベンダー、レモン、ゼラニウム、ローズマリー、クラリーセージ
  3. 肉体的ストレスに対して
    ラベンダー、ベルガモット、ゼラニウム、ローズマリー、カモミール・ローマン、タイム、マジョラム
  4. 精神的ストレスに対して
    ラベンダー、ベルガモット、ゼラニウム、バジル、サンダルウッド
  5. 感情的ストレスに対して
    ベルガモット、ゼラニウム、サンダルウッド

これらを風呂に6~8滴たらし入れたり、ディフューザーといい、湯飲みのような物に水とオイルを入れ、下からロウソクや電気やランプで暖め香りを楽しみます。また、ティッシュペーパーにオイルを数滴垂らして枕元に置いても良いでしょう。

外国では病状や状態(不眠症、神経症、時差ボケ、喘息等)に合わせてすでにブレンドされた物を販売していたり、アロマテラピストがいて自分のためにブレンドをしてくれる所もあります。余談ですが、子供の勉強部屋には、ラベンダーはリラックスしすぎで、注意集中力が低下してしまうため勉強能率アップには不適です。その場合レモングラスが集中力がアップし良いと言われています。

Seif help reflexology

ストレスに対して行う自己マッサージです。週4回20分間、足のマッサージをしますが、その前後数分間、手足の一般的なリラックスのためのマッサージをしますが、そのマサージをする部位により不安や感情のバランスや呼吸を安定させたり、神経の興奮を静めたりする方法です。つぼマッサージに似ています。

精神科治療

専門的な治療法は多くの種類がありますが、主に次のような心理的な治療法があります。

【カウンセリング】

医師やケースワーカー、臨床心理士等が、悩みを聞いたり、助言指導を通して、精神の安定を図ります。

【自律訓練法】

注意の集中、自己暗示の練習により全身の緊張を解き、心身の状態を自分でうまく調整できる様に工夫された段階的訓練法です。

【SST】

生活技能訓練。生活をする上でその人が、問題となる状況や、場面を克服するために、グループで模擬訓練とその対応における評価、指導をする治療法です。

【森田療法】

神経症の治療法の一つ。入院して1週間単位で4段階の決められたスケジュールで生活をする治療法です。

【行動療法】

問題行動や問題の状態に対して、それを解決するために行動を制限したり、ある目的の行動が出来たら報酬を与えたりして治療をします。

【交流分析法】

少し説明が専門的で難しいですが、これは自己分析的な精神療法です。その人の、親、大人、子供の3っの自我状態のバランスを分析する構造分析。その3っの領域が対人状況でどの様に交流するかを分析する交流パターン分析(平行的交流、交差的交流、仮面的交流に分類)。ゲームを演じる人の隠れた欲求や動機から心理過程を分析するゲーム分析。人間が人生で演じているドラマの脚本を分析する脚本分析。から成ります。

【音楽療法】

発達障害児に対する発達療法的音楽療法。情緒障害児に対する遊戯療法的音楽療法。身体障害者に対しての音楽療法。老人に対する交流促進。がありますが、この場合の音楽療法は、神経症、心身症に対する心理療法的音楽療法を意味しています。個人により好きなジャンルの音楽が異なり、好きなその音楽をもって精神の安定を図ります。

クラッシックが嫌いな人にクラッシックを無理に聞かせても、逆にストレスが貯まる事があります。演歌が好きな人には演歌を、ロックが好きな人にはロックが効果的だと思います。自分のお気に入りのジャンルで、楽しい気持ちになれる一曲を持っていれば幸いです。又、自分の良い思い出と結びついている曲でもかまいません。

【バイオフィードバック】

機械を使用し、自分がどのような状態の時にリラクッスしているかを知り、それを訓練する方法です。脳波バイオフィードバックは脳波を利用した方法です。イライラしたりすると脳波のβ波が強くなり、又気分が安定するとαが優位になるのを利用した方法です。α波が出てきたら目の前のランプが付いたり、音が鳴ったりして、それを自分が知る事で、どの様にしたら、又どの様な気分になったらリラックス出来るのかを知ります。この様にして、リラックスのテクニックを身につける分けです。その他、筋電計を使用し筋肉のリラックスの状態をみたり、皮膚の温度を計りながら温度上昇でリラックスの度合いを調べたり、GFRという皮膚電気反射はリラックスすると皮膚が電気を通しやすくなるという仕組みを利用して、自分のリラックスの状態をフィードバックします。

その他治療法

【漸進的リラクセーション】

身体の各部位の筋肉を弛緩させる事により、リラクセーションを計る方法です。ゆっくりとした椅子に座り身体の様々な筋肉に力を入れその後力を抜く、これを繰り返します。これを顔面、手、腕、足と順に行い筋肉をリラックスさせます。

【ストレス免疫療法】(D.マイケンバウム)

強いストレッサーを受けると、病気になったり身体の不調を示しますが、少量のストレッサーから馴らしていくと大きなストレスにも耐えられるようになります。これは、インフルエンザや日本脳炎のワクチンを受ける事で、それらの病気にかかりにくくしたり、たとえ、かかっても軽くすむのと同じ考え方です。

【ストレス切り換え法】

禅、ヨーガ、念仏や茶道、華道、香道等の修行道を通して悪性ストレスから解放し自己をコントロールする方法です。

【自信回復法】

自信喪失は悪性ストレスを生む重大な原因となります。失った自信を取り戻しストレスを克服する手段として1.信念を持つ2.心に支えを持つ3.観点を変える4.気遅れをなくす5.経験を積む6.努力を重ねる7.心身を安定させる(体調が悪いと自信も出てきません)この様な方法を通して自信を回復させます。

【レジリエンシー自問自答法】

ストレスに対して単に自分を守るという事だけでなく、進んで積極的にこれに挑戦跳ね返す方法。ストレスについての対応や考え方など、様々な10の質問に対してどうすればすべてYesになるかを考え、Yesになるように実行する方法です。

【主張訓練法】

相手を尊重しながら、同時に自分の考えをはっきり表明する事が出来るように、問題となる場面再現し、模擬訓練(ロールプレイ)を行うことで適切な表現を身につける方法です。

上司から仕事について指導を受けたが、自分の考えと異なっていた。しかしその場で自分の考えを言えず悩んだ。等の経験がある場合、その問題の状況を再現し、他の人がもし自分だったらどうしたか、どう言う風に自分の考えを主張したら良かったかを調べ指導する方法です。

薬物治療

ストレスによる症状のため生活が困難となったり、症状が長期に持続する場合にこれを行います。特に頑固な不眠、不安、興奮、めまい、食欲不振、落ち込みや、死にたい気持ち等に対して、精神安定剤や抗精神病薬、抗うつ剤等での薬物治療で楽になりますし、かなりの効果があります。ただし薬物だけで治療しようとは思わないで下さい。一時的に良くなっても、原因となるストレッサーが変わらなければ、又同じ状態になります。ストレスに対する対処法や、専門的な指導と併用する事で、ストレスの鎖から解放される訳です。

16. 最後に

最後に、身体の様々な感覚を介してストレスが入ってくるのであれば、逆にその感覚を通した、リラクゼーション法があります。嗅覚である鼻に対して、アロマテラピーが、視覚である目に対して花や景色を見てきれいだと感じ、聴覚である耳に対して音楽が美しく受け止められ、触覚等の皮膚感覚に対してムートンの肌触りや天日に干し立てのふわふわした布団が心地よく感じられたり、また子供に置いては、スキンシップであり、頭をなぜられる事で喜びや安心感を味わいます。味覚においては、おいしい食事、昔懐かしい味や、お袋の味が喜びを与え、筋肉に対しては、ゴルフ、テニス、スキー等のスポーツが心地よい疲れを与えます。その他感情に対しては恋愛小説やロマンティックな映画が、恐怖という感情に限定すれば、ホラー映画、バンジージャンプ等。思考に対しては推理小説でありサスペンス映画等です。精神面では、禅やヨーガや、武道を通してそれを学ぶ事が生きる喜びを与えます。痛みに対して湾曲した物として、サドやマゾが含まれます。この様に、様々なストレスに対してのストレス対処法が身近にあることを、再認識して下さい。あまり難しく考えず、それらを上手く組み合わせて生活に取り入れる事でかなりの部分楽になります。それでも駄目な場合、専門的な指導や治療を精神科で受けていただきたいと思います。

貴方が上手く生きる上で、何か一つでもヒントになれば幸いです。